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お知らせ

感染症対策について

2021年06月09日

特別養護老人ホーム ドリームハウスでは、様々な感染症対策を実施しています。

 

昨年11月のクラスター発生の際に、たくさんの感染症の専門家からご指導をいただいた中で

「感染症対策は一通り実施していたけれど、その目的や根拠の理解は不十分だった」と感じることがありました。

 

たくさんの職員が働く施設なので、統一した対応をするためにルール作りは必要ですが

本当に大切なのは「何のためにこれ(感染症対策)をしているか」という理由(根拠)を理解することです。

 

 

■「何でこの場面ではガウンが必要なのか?何でここに消毒液を置くのか?何で軽度の症状でも出勤せず休むのか?」

施設では日々イレギュラーなことがたくさん起こります。

最初に決められたルールが実施できないこともあります。

物理的な問題で理想的な対策を講じることができないこともあります。

 

そのときに現場の職員が一つ一つの感染症対策の意味を理解していれば、「〇〇ができないのなら△△にしよう」「これはできないけどここだけは譲れないのでこうしよう」

と柔軟に状況に合わせた最善策を選び、迅速に実施することができます。

 

 

それでは、ドリームハウスで職員が実際に行っている感染症対策の取組みの一部をご紹介します。

 

【検温は1日2回】

早い時間に発熱等の体調不良を察知することで、医療機関との連携が図りやすくなります。

発熱は夕方に顕著に表れる傾向があるので、遅い時間の検温も重要です。

限られた人員で100名規模の検温を継続することは大変ですが、その重要性を身をもって知っているだけに「検温を1日1回にしよう」という声は上がりません。

検温は全てのご利用者様・職員が実施しています。

また、職員が体調を崩した場合には、軽症でも必ず施設に報告することを徹底し、症状が消失後一定の時間を空けてから出勤するようにしています。

 

※職員通用口の検温表(三脚に載っているのが非接触型体温計)

 

【消毒は定時じゃなく使用するごとに】

時間を決めて定期的にドアノブ等を消毒していても、消毒と消毒の間に複数名が触っていては意味がありません.

トイレの個室一つずつ、ドアというドアの前後、冷蔵庫の前等、様々なところに消毒液を配置し、そこを通過するごと、使用する前後に消毒しています。

「使用する前の消毒は自分(が感染しない)のために。使用した後の消毒は次の誰か(が感染しない)のために。」が合言葉です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【消毒液は指先までたっぷりと】

メーカーが製造している消毒ボトルは1プッシュを最後まで押し切ると必要量が噴出されます。(100均などで購入したスプレーボトルなどは必要量が計算されていな場合があるため、手がしっかりと濡れるまで何回もプッシュします)

軽くポンとプッシュしただけでは足りません。

消毒液を手のひらに溜めて、手の中でも最も使用頻度の高い指先(爪の間も)をしっかりと浸してから手全体にくまなく擦り込みます。

 

【身体介助時にはガウンを着用】

ユニフォームに消毒液を噴霧しても消毒効果はないので、飛沫を含む体液が付着する可能性がある身体介助時にはガウンを着用しています。

職員を守るだけでなく、ご利用者様同士の伝染を防ぎます。

ご利用者様はマスクを着用できない方がほとんどなので、職員はサージカルマスクとゴーグルを着用しています。

職員同士の会話ではお互いがサージカルマスクを着用しているためゴーグルは不要としています。

※感染対策訓練 フルPPE(防護具)着用時の様子

 

【食事中は話しかけない。レンジや冷蔵庫に触ったら食べる前にもう一度消毒。床には触らない。】

職員も自分の食事中はマスクを外していますからおしゃべりは禁止です。うっかり話しかけてしまうと返事をしてしまうかもしれないので、周囲の人も話しかけないようにと決めています。

休憩室に入った時に手を消毒しても、冷蔵庫や電子レンジなどを触るともしかしたらウィルスが付着しているかも…

食べる準備ができたら、食べる直前にもう一度手を消毒します。

ちなみに以前は休憩室はカーペット敷きで床に座ることができるようになっていましたが、飛沫のほとんどは床に落ちるため「床には触らない」が原則となり

休憩室は土足(上靴)仕様になりました。(床には座らない)

休憩室はフロアごとに分かれています。もし万が一ウィルス等が侵入した場合に少しでも感染拡大を防ぐためです。

更衣室や休憩室には注意事項の張り紙がたくさん貼ってあります。どれも職員が自主的に貼ったものです。

※更衣室の張り紙

 

【発熱等の症状があったらコロナだと思え】

発熱するには様々な要因がありますが、万が一コロナだったときを想定して早期から厳重な対応をしています。

現在、ご利用者様に発熱症状があった場合にはすぐに施設で検体を取り、協力医療機関を通じてPCR検査を受けることができています。

PCR検査の結果が陰性であっても検査の精度(70%程度と言われている)を考慮し、慎重に経過を見ながら感染隔離等の対応を継続しています。

感染対応の際には使い捨て食器を使用するなど、感染(疑い)区域に入る者は非感染区域に出てこないよう徹底しています。

 

【定期的なスクリーニング検査】

2~3週間に1度、全職員がPCR検査(7月以降は抗原定性検査に変更予定)を受けています。

無症状感染者を早期に確認する目的で実施しています。

 

 

【ワクチン接種と抗体検査】

ドリームハウスではクラスター収束後より、某大学のご厚意により職員(希望者)の抗体検査を継続的に実施していました。

感染から約6カ月経過した時点で数名(約15%)が抗体陰性(抗体がなくなった)となりました。※残りの8割強の職員は抗体が保持されています。

なので、このタイミングでワクチンが接種できたことは非常にありがたいことでした。

6月7日よりご利用者様・職員のワクチン接種が始まり、数回にわけて実施され7月8日に終了予定です。

※罹患し抗体を獲得した人も、ワクチンを接種することにより、より効率の良い抗体が作られるとのことです。

 

【感染対策訓練】

どれだけ対策を取っていてもウィルス等の侵入を持ち込むこと可能性をゼロにすることはできません。

そこで、ドリームハウスでは月に3~4回、感染症が発生したことを想定した実地訓練を継続的に実施しています。

感染物の処理やガウンテクニック、ゾーニング、職員連携(情報共有や指示系統の確認)などを実戦さながらに行います。

実際にクラスターを経験しただけに、当時の恐怖が染みついており、皆真剣に取り組んでいます。

実施後には参加者や記録者などで講評を行い、常に改善に努めています。

※訓練時の様子

 

【応援派遣】

札幌市内の介護事業所などでクラスターが発生し、応援が必要になったときには積極的に職員の応援派遣を行っています。

クラスター発生当時たくさんの方々に支えられ、少しでも恩返しをしたいと考えています。

最近では検査体制が充実したことや、ワクチンの接種が進んでいることから大規模なクラスターがなくなってきましたが、今後も必要に応じて関係機関と協力し応援派遣を続けていきたいと考えています。

 

以上、他にもたくさんの取組を実施していますが、その一部をご紹介させていただきました。

 

クラスター発生当時にご支援いただいた専門家の方々には、収束後の現在も感染症対策の相談に乗っていただき、日々感染症対策をアップデートしています。

感染症拡大リスクが高いとされる多床室だからこそ、感染症に強い施設づくりを目指し邁進しています。